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長引く咳・鼻水

子どもの長引く咳・鼻水

子どもの長引く咳・鼻水長引く咳、鼻水の多くはウイルス感染症によるものです。保育園に入園した1~2歳の子どもが、入園後から 数か月はかぜを何度も引いて、鼻水や咳が何ヶ月も出続けることがよくあります。乳幼児は1年間に6~8回のかぜをひき、10~15%の乳幼児は12回以上ひくと言われています。
 鼻水や咳は、体の中に入った異物や病気の原因(病原体)を外に出そうとする防御反応です。したがって、無理に鼻水や咳を止める必要はありません。小さいお子さんで無理に咳を止めようとすると、痰をうまく出すことが出来ずに痰づまりや肺炎の原因になることもあり注意が必要です。一方、鼻水や咳がひどくて水分摂取ができない、咳込み嘔吐がある、夜眠れないなどの症状がある場合は、咳止めを使用して症状を和らげることも有効です(対症療法であり治療ではありません)。

長引く咳、鼻水の原因

感染性疾患

複数のかぜに続けてかかる

かぜの原因ウイルスは、細かく分類すると200以上あると言われており、どれも一般的なかぜとして診断されます。およそ半分の方は10日以内に改善し、9割の方が15日以内に改善すると報告されています。保育園など大人数の子どもが集まって生活をする環境では、複数のかぜウイルスが混在している状況が考えられ、1つのかぜが治りきる前に次のウイルスに感染し、鼻水・咳が長引くことがあります。

百日咳

最初はふつうのかぜと変わりませんが、次第に咳が多くなり、顔を真っ赤にして激しくせき込むようになります。1~2週目がもっとも咳がひどく、3~4週目になると少しずつ軽くなってきますが、1か月以上咳が長引きます。
ワクチン未接種(または1回のみ)の乳児では、咳で息ができなくなったり、呼吸が止まったりすることがあるため入院が必要な危険な病気です。
ワクチンを接種(4種混合)していても、4,5歳から効果が落ちてきて、かかってしまうことがあります。ワクチンを接種しているため咳がひどくならないこともあり、診断は難しいことがあります。本人の症状は軽くても周りにうつしてしまうため、小さな兄弟がいる場合は注意が必要です。

マイコプラズマ

肺炎マイコプラズマという細菌に感染することで、かぜや気管支炎、肺炎などを起こします。3歳くらいまでの小さなお子さんはかぜ症状で終わることが多いですが、小学生以上のお子さんがかかると肺炎を起こすことがよくあり、高熱(1週間前後)と長引く乾いた咳が特徴です。熱が下がった後も約3~4週間は咳が続きます。
肺炎のほかに、中耳炎、頭痛(髄膜脳炎)、胸痛、腹痛、発疹など多彩な症状が出ることもあります。
潜伏期間は2~3週間と長く、家族が2~3週間ごとに頑固な咳で発症する場合はマイコプラズマを疑います。

気管支炎・肺炎

かぜによる上気道の炎症が気管支や肺まで及んだ状態です。高熱が持続して咳が徐々に悪化することが多いです。聴診による呼吸音の異常、呼吸様式の変化(努力性呼吸など)、酸素飽和度の低下などから疑われます。血液検査で細菌による肺炎の疑いがあれば抗菌薬を使用します。
努力性呼吸や酸素飽和度の低下があれば、入院での治療が必要です。

副鼻腔炎の合併

顔の骨の中にある空洞を副鼻腔といい、2歳ごろから発達し始めます。かぜで起きた鼻の粘膜の炎症が副鼻腔まで広がると副鼻腔炎になります。黄色~黄緑色の粘っこい鼻水が長期間続くのが特徴です。
必要に応じて抗生剤を投与します。

非感染性疾患

気管支喘息

喘息の本体は、気管支の粘膜に起こる慢性的な炎症です。炎症が強くなることで、気管支が収縮して細くなったり、粘膜がむくんだり、分泌物が増えてしまった結果、空気の通り道が狭くなって呼吸が苦しくなる状態(息を吐くときにヒューヒュ―、ゼーゼー)が喘息発作です。
明らかなヒューヒュ―、ゼーゼーがなくても、咳が長引く、夜中や早朝に咳が出やすい、運動すると咳込む、などの場合も気管支喘息の可能性があります。

アレルギー性鼻炎

家のほこり(ハウスダスト:主成分はダニ)、スギなどの花粉、ペットの毛などが原因で、アレルギー症状を起こします。
① くしゃみ、②鼻水(透明でサラサラ)、③鼻づまり、が三大症状です。
三大症状のほかに、頭痛、頭重感、のど・目のかゆみなどが起こることもあります。これらの症状は非常に不快で日常生活の質を低下させ、学業や仕事に影響をきたすこともあります。
かぜによる症状であれば、初期は透明の鼻水が次第に黄色くネバネバした鼻水に変わり、1~2週の経過で治っていくのが一般的です。透明でサラサラの鼻水やくしゃみが長期間持続する場合は、アレルギー性鼻炎を疑います。
アレルギー性鼻炎による鼻水がのどの奥に垂れ込むと、長引く咳としてあらわれることがあります(後鼻漏)。
診断は、三大症状の確認と、血液検査の結果などを総合的に判断します。

気管支異物

空気の通り道である気管支に異物(ピーナッツが最多)が入っている状態です。食事中の突然の咳込みで発症しますが、しばらくすると咳がいったん改善します。その後しばらくして、長引く咳やヒューヒュ―、ゼーゼーといった喘息のような症状を起こすことがあります。

胃食道逆流症

胃の内容物が食道に逆流し、食道や気管を刺激することで咳が生じます。乳児(0歳児)では正常でも起こりえますが、成長とともに改善します。
普段から嘔吐しやすい、食後に咳が出やすい、横になると咳が出る、などの症状があれば胃食道逆流症の可能性があります。

心因性咳嗽

ストレスや緊張などで、乾いた咳を頻発する子がいます。日中の乾いた咳が特徴で、何かに集中しているときや睡眠中は咳が出ないという特徴があります。
他の疾患(感染後咳嗽、気管支喘息、胃食道逆流症など)の疑いが消えた段階で診断を行う必要があります。

こんなときはすぐに受診を

こんなときはすぐに受診を
  • 呼吸が苦しそうなとき
  • ゼイゼイしているとき
  • 異物を誤嚥したおそれがあるとき
  • 咳がひどくて全く眠れない、
    哺乳ができない、繰り返し嘔吐するとき
  • 3週間以上、咳がよくなっていかないとき